美ら島物語
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「おじゃりやれ、ウフアガリ島」〜絶海の南大東島で、豊年祭を遊びつくす〜

海人に会いに行く

今日も、市場に魚が上がっているという。こんな荒れてる海で漁!? よっしゃ、南大東の海人(うみんちゅ)に会いに行こう。

「こ、こんにちわ〜」

みんな、筋張った腕も顔も浅黒く、なんとも風格がある。ちょっと緊張。70歳で現役(!)という海人のおじいの手を見て、私はギョッとした。
手の甲にミミズばれのような傷跡が無残についているのだ。見てはいけないものを見てしまった気がして目をそらすと、「ああ、こんな傷はいくらでもあるよ〜。これは手縄の跡さ〜」と笑っている。


海人に会いに行く

海人に会いに行く

海人に会いに行く

海人に会いに行く

安田「あの、やっぱり、南大東の海は厳しいんですね」
おじい「断崖絶壁の島だから、波は荒いさー。でも、さわらなんて島から100mも沖に出れば釣れるよ」

へ〜、なるほど、島自体が漁場なんだ。

安田「漁は誰から教えてもらったんですか?」
おじい
「教えてなんかもらわんさー。先輩のやり方見て、自分で覚えるの。覚えたら1人で海に出る」

南大東では、漁の船は1人乗りなんだそう。孤独な漁。おぉー、男のロマンだ。

安田「いつもどれくらいの大きさの魚を釣るんですか?」
おじい
「そーね、キハダマグロなら20kgはフツーさ。先輩で330kgのカジキマグロを釣った人がいたね」

…さ、330kg!? スケールが違う。

安田「じゃあ、釣り放題ですね〜」
おじい
「いやぁ、どこかに出荷するワケじゃないから、島で食べる分しか捕らないさー。せいぜい、1日100kgかな。島のモンは、その日捕った魚しか食べないし」

「そうそう、1日経ったら“冷凍モノ”呼ばわりさー、あはは」

昨日捕った魚は“冷凍モノ”か。
う〜ん、島ならではの贅沢だ。

おじい「南大東は他の島と離れているから、送っている間に鮮度が落ちてしまう。だから、こんなして加工しているよ。さ、食べてみなさい」

へ? まぐろジャーキー? ビーフジャーキーなら食べたことあるけど、魚のジャーキーなんて初めてだ。

安田「モグモグ…ん〜、柔らかくて美味しい! 昼間から泡盛飲みたくなっちゃう!」

ほかにもさわらのジャーキーなど、珍しいものが並ぶ。中でも珍味だったのが“中身の佃煮”。中身とは、魚の内臓のこと。魚臭くて、なんともオツな味なのだ。

安田「今までの最大の失敗は?」
おじい「港で人がおぼれてると思って助けに飛び込んだら、マンタだったな〜」
安田「1番手強かった魚は?」
おじい「シーラ!」

シーラとは、マヒマヒのこと。ヘミングウェイの名作『老人と海』に出てくる魚だ。

おじい「もー、1番キライさ〜、暴れてからさ〜。嫌よ〜! キライキライ」

プククッ。おじいってば、カワイイ。少年のようだ。

安田「最後に、“海人の掟”とは何ですか?」
おじい「そ〜ねぇ、“船酔いしないこと”よ。あはは〜」

南大東の海人は、メチャメチャかっこいい。笑うと、潮の香りがこぼれる。

 
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