
今年、池間島で鰹節工場を操業しているのは川満さんだけ。
最も盛んだった昭和35年頃は14隻の漁船で賑わっていた港も、鰹漁船は「宝幸丸」1隻になってしまった。
船員も大半が70代のオジィ達だ。
安い鰹節原料が海外から入るようになり、島民は伝統の鰹漁から離れ別の業を求めなければ生活していけなくなった。
川満さんも赤字を覚悟で続けているという。
「これ食べてみるね〜」と奥さんが冷蔵庫から「珍味かつおくん」を出してきた。
鰹を昆布や醤油の出汁で味付けした佃煮で、ビールがとても欲しくなる味だ。鰹節には向かない小ぶりの鰹はこうして加工し商品化している。
鰹節の燻製が2〜3週間に対し、3〜4時間燻製しただけのものを「なまり節」と言う。
宮古ではこのなまり節を豚肉の代わりにチャンプルー(炒め物)やンブシー(炒め煮)に使用することもある。
鰹の旨味が野菜にしみ込み、やめられないほどの美味さになる。なまり節は旨味付けとして様々な料理に応用できるのだそうだ。スライスしてマヨネーズとみりん醤油などで食べても美味しい。
午後3時、漁に出ていた宝幸丸が帰ってきた。
すかさず川満さんは宝幸丸の旗を揚げている。
長年使い込まれ擦り切れた旗が、風を受けて抜けるような青空にたな引き始めた。
池間の鰹漁がいつまでも続くようにと言っているように。
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有限会社 丸満水産
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