平良から車で約40分。
宮古島特有のエメラルドグリーンの海を横目で見ながら、池間島へ向かう1本道を走っていると、森の奥に誘い込むように、島尻集落への案内看板が見えてきます。
島尻集落はとても静かな集落。
散歩するおばぁの横で猫が昼寝をしているような、平和でのどかな時間が流れています。
この集落で年に一度、大人も子どもも走り回り、泥だらけになる祭りが行なわれます。
それが「パーントゥ」。
「パーントゥ」とは正式には『パーントゥ・プナハ』と呼ばれる、国の重要無形民俗文化財。
百数十年前に島尻集落の北に位置するクバマ(クバ浜)にクバの葉で包まれた仮面が流れてきたことから始まったものとされています。
集落の若者が仮面を被り、体中に泥を塗って、その上にキャーン(シイノキカズラ)で作ったみのをまきつけて神の化身となり、人々に泥を塗って厄を払い無病息災を願う祭りです 。
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・白い服を着用のこと
・服は捨てる覚悟で
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日暮れからおこなわれるパーントゥ。
黒い服なら塗られたことがわかりにくく、何度も襲われてしまうそう。
白い服で「塗られている」という主張が大切とのことです。
そして服は捨てる。つまり、2度と着られないほどの臭いが付くということです。
うーむ、知れば知るほど恐ろしい。
パーントゥが行なわれる日の朝、宮古島には雲ひとつない青空が広がりました。
泥の発酵がさらに進む、これぞパーントゥ日和というのでしょうか。
私達が島尻集落に着いたのは午後3時。
日が沈む頃からパーントゥが始まるので、少し早い到着だったことを除いても、集落には観光客の姿はほとんど見られません。
パーントゥが行なわれる日は、旧暦9月の戊の日から数日内に開催と定められていますが、日程の最終決定は集落の神職者によって決められるそう。
ギリギリまで日程が分からないので、島の人でなければなかなか参加しづらい祭りなのです。
キョロキョロしながら集落を歩いていると
「パーントゥを見に来たの?」
とおばぁが話しかけてくれました。
おばぁの話ではパーントゥは3体(匹とも数えられます)。
漂着した仮面を親(んま)とし、さらに中(なか)、子(っふぁ)がいるそうです。
また、祭りのとき以外にお面を保管している家を「ムトゥ」と呼び、集落に入ったパーントゥは最初にムトゥの家をまわり、お清めの酒と塩をもらうそうです。
ひとしきりお話を聞いて、途中脱線して唄まで唄っていただいて(笑)、
お礼を言って立ち去ろうとすると、手に持っていたみかんを「お腹がすいたらいけないから食べなさい」と渡してくれました。
沖縄に住む前、こんなふとした優しさに出会い、その度にどんどん沖縄が好きになっていったことを思い出しました。 |