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北と南のラブストーリー
ことの始まり

こうして沖縄県から正式に了承を得たのち、平成5年12月3日、岩手県から石垣島へお米の種が送られました。送られた品種は「岩手34号」と「岩手36号」。寒さに強い、岩手県初の県産米です。種から遅れること13日。一人の男性が奥様と一緒に石垣空港に降り立ちました。菅原邦典さん、50歳。これから半年の間、石垣島で種もみの育成・増殖を指導する「お米の神様」と呼ばれる人です。

たくさんの困難が菅原さんを襲いました。しかし、持ち前の不屈の精神でひとつひとつ切り抜け、見事に穂を実らせます。菅原さんと石垣の人達が力を合わせて作った種もみを、岩手の人達は小さな旗を振って迎えたといいます。サラサラ、サラサラ。それはとてもきれいな音だったそうです。そして、種もみが岩手に帰ってすぐに、田植えが始まりました。菅原さん達の努力が通じたのか、その年は大豊作でした。「岩手34号」と「岩手36号」には名前もつけられました。「かけはし」と「ゆめさんさ」。どちらも29万点の応募の中から選ばれた名前で、燦々と輝く夢をもって、岩手と石垣のかけはしになってほしい、そんな願いがこめられています。

菅原さんと岩手の方達がなしとげた偉業。それ以来、石垣島と岩手県の間で積極的な交流が始まります。岩手県は事業として石垣島まつりに参加し、米、りんご、花などの特産品を紹介し大好評でした。また、会場の一角には雪のコーナーを設けました。生まれて初めて見る雪に、石垣の子供達は目をかがやかせて喜んだそうです。

そののちも、八重山高校と盛岡第四高校の交換ホームステイ、八重山マラソンで岩手県のランナーが優勝するなど民間交流もたいへん盛んになりました。物産交流でも、『かけはし』を使って作った『純情泡盛南雪』、石垣の塩、島とうがらし、泡盛を使ったアイス、激辛ラーメンなどコラボレーション商品がたくさん生まれました。また、2003年1月26日に開催される第1回石垣島マラソン大会には、岩手県から47名のランナーが出場され、どんなドラマを繰り広げてくれるのか今からとても楽しみです。

北で生まれて南で育ったお米は、その名の通り二つの町の「かけはし」となって、これからも沢山の出会いや物語を紡いでいくのです。


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