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地図のない旅(後編)


早朝、パタパタパタ…と部屋を出て行く編集部・kanaeの足音で目をさます。夕べ十分に睡眠をとったおかげで、体調はだいぶ良いみたい。


今日はいよいよマラソン本番。 カップうどん(病み上がりなので)で軽い朝食を取り、通りへ。

9時ちょうどに、パーンッパーンと花火が盛大に鳴り響き、大会スタート。

「かけはし交流会」のオビ。石垣の青空に映えていますね。

市役所前で、ランナーが通りすぎるのを待っていると、おばぁが話しかけてきた。

「このマラソンには石垣の人だけじゃなく、岩手の人も沢山出場しているんだよ」(^-^)

「そうそう、チャーター機で来たんですよね」と合づちを打つ。

のんびりとしたゆんたくタイム。島時間とはまさにこのこと。
そうこうしているうちに、先頭集団が私達の前を通り過ぎていく。

市役所前を走る、今大会最年長参加者・長田さん(83)。マイペースに走る姿に声援を送らずにはいられない。

「うりゃー、がんばれー!」

おばぁが叫ぶ。私もつられて、

「がんばれーっ!」

おばぁと私、手を握り合いそうな勢い。

そこへ、タッタッタッ…と軽快な足音が。目を向けると、胸に燦然と輝く黄色のゼッケン。
おぉ、あれは岩手のランナーの方々ではありませんか。

「岩手の人達が来ましたよ!」


おばぁに伝えると、おばぁは「うりゃっ! どれどれ」と身を乗り出し、手を振り始める。

「ちばりよー!」

おばぁの声援に、岩手ランナーの方は微笑みで応える。なごやかな雰囲気。
普段、テレビで見るマラソン大会とはずいぶん違って、気持ちがほっこりとする。
せっかくなら、岩手の言葉で応援しよう! そう思って、

「岩手の言葉では“がんばれ”“けっぱれ”って言うんですってよ」

と教えてあげると、おばぁはくいいるように私を見て、

「けっぱれ、か。よし。あ、来た来た、けっぱれー!!」

と元気に叫び始める。

黄色いゼッケンをつけたランナーが通るたびに、“けっぱれ! けっぱれ!”
小さく飛び上がりながら、応援するおばぁと私。
なんとなく、「同士」といった気持ちが生まれる。こういう小さな触れ合いが、とても楽しい。

 

 

…このように、街中がとても和やかなムードに包まれた石垣島マラソン大会でしたが、一つ、残念なことがありました。

それは、優勝候補の岩手の三浦千良選手が、走行中、交通事故に遭われたことです。 幸い、命に別状はなく、現在は地元・岩手の病院で療養生活を送られている三浦選手の、一日も早い回復を願ってやみません。再び、石垣島マラソンに帰って来られる日を心からお待ちしています。


そして、三浦選手が帰って来られる年の大会には、私も出場したいなぁ(フルは無理なので、ハーフで…)と思っています。(そのためには、今から練習しなくては!!)

 

突然の岩手行きから始まり、石垣島マラソンまでたどり着いた、私の「地図のない旅」。

ひとつの出会いが次の出会いを生んで、大切な友人が増えていきます。

次の出会いは、私をどこへ運んでくれるのか。
そして、私をどのように変えてくれるのか。

皆さんとどこかの町でお会いできることを祈りつつ、この日記を終えたいと思います。

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(2003.02.13掲載)




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