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バルコニーで海を眺めて過ごしていたら、いつのまにか太陽が西に傾いていた。

 
暗くなる前にお腹が空くだろう、なんとなくそんな気がしていたので早い時間に予約していたディナーを楽しむことにした。


日本料理と琉球料理が楽しめる『佐和』へ向かった。私が楽しみにしていたディナーが始まる。『沖縄特選寿司食べ放題』のコースをお願いしていた。

沖縄の魚はカラフルだ。しかし一般的に淡白で旨みが少ないと思われがち。
沖縄ならではのお寿司を食べたい、そんな声に応え、ならば美味しく、沖縄らしく、してみせましょうと、「佐和」がこだわりつづけて生まれたのがこのメニュー。魚介類のみではなく、アロエやゴーヤー、和牛などの食材も楽しめる。


カウンター席に座る。
上品な雰囲気に少し緊張しながら、むっつりの寿司職人さんだったらどうしよう、そんな不安も少しだけあったしたけれど、やってきたのはにっこり顔の寿司職人、「森山さん」だった。

「ほっ。」

 
沖縄の魚のことなど何も知らない私に、丁寧にネタや食材の説明をしてくれる。

きっと、なんでもそうだと思うが、知らないでいるより知ってからの方が親しみを感じるし、思いも入る。
料理だってそうだ。
知らずに食べて、えぇーー、そうだったの?とあとで分かったところで食べたという事実しか残らない。
でも、かくかくしかじか、こういう食材をこんな方法で調理して仕上げると・・・、などという話しを聞いた後で食べる料理は、知識のエッセンスがより一層料理を引き立てて全身で美味しく食べられる。

では、おすすめで握りましょうね。そう言ってディナータイムは始まった。たくさん食べられるように、との気配りでシャリは少し小さめ。

海ぶどうとイクラ、北と南の食材が見事に融合している。
沖縄の近海魚の数々を小さく切ってトッピング、一度でいくつもの味が楽しめる海人にぎり。島ダコ、グルクン。

いくつもの味を楽しみながら会話も弾み、沖縄の魚のことが少しだけ分かった私は物知り気分。





お腹も胸の中も満足感でいっぱいになったので、外へ出た。
湿った風が吹いている。砂浜を散歩してみた。

外海に面しているけれど、沖のリーフでかなり波が弱められ、砂浜に到達する頃には優しい音となって届く。

白いカニが砂浜を足早に動いている。
ヤドカリものっさよっさと足跡を砂に残している

空には、星座。プラネタリウムを見ているようだ。
久しぶりに空を見上げたような気がする。

部屋に戻った。バルコニーへ出ると潮の香りの風がふわふわと漂っている。

潮騒を聞きながら、私は眠った。



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(2005.11.29掲載)




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