美ら島物語
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朝、いつもどおりに目覚めたが、ベッドの中でしばらく過ごしていた。何かしていたわけではなく、何もしないで過ごしていたのだ。
しばらくしてバルコニーに立ち、つま先で立ちながら思いっきり背筋を伸ばしてみる。朝のやわらかい陽射しを受け止めフレッシュな空気を胸いっぱいに吸い込んだ。

やっぱり潮の香り。南の島のリゾートに来たんだな。
それが現実であることを実感すると、私は笑顔になった(はずだ)

私のペースで過ごせるって、たまらなく心地よくて嬉しいことだということにあらためて気づく。
身支度をすませ、わたしは館内を散策してみた。






アリビラは400室もの客室を有しているが、その大きさを感じさせない。だからといって「狭い」というわけではない。

ゆとりはたっぷり感じるけれど、一人ポツリと放り込まれたようなだだっ広さを感じないから落ち着くのだ。


館内を歩いていて、ふと思った。アリビラの中で、曲がり角はやカーブが重要な役割を担っているのではないかと。

角を曲がると隠れ家に入ったような安堵感を覚えたりする。また、新しい空間が始まるような期待感も高まる。

歩くことに退屈やストレスを覚えない。一人でゆっくり歩いていると、適度なタイミングで直線が終わり、次の空間が始まるのは、とても快適だ。
 
 



 

世の中が完全に動き出している午前10時過ぎ。
私は、相変わらず私時間で過ごしている。

リゾートの中で。

久しぶりに腕時計を見た。
ちょうど、あと30分で正午になることを伝えている。

さてと、そろそろブランチの時間だ。

私はレストラン『護佐丸』の扉を開けた。

『美ら島ブランチ』

私のための、私だけのブランチ

目の前の鉄板で調理される、沖縄の自然素材を使った料理の数々。ここでしか味わえないものを、私の食べたいスピードで食べる贅沢な時間。
フレンチトーストと黒糖風味の焼きバナナ、地鶏の卵の目玉焼き。うっちん風味のソーセージ、鮮魚のソテー、旬野菜のサラダ、久米島の海洋深層水で炊き上げた釜ご飯。

いつもは、トーストとコーヒーで朝を済ましているけれど、旅に出るとたくさん食べたくなる。それは時間から解き放たれた開放感からくるのだろう。

目の前の鉄板で、食材が料理に生まれかわっていくのを見つめながら、過ごす時間はとても心地よい。
音と動きと、そして香り。
本能が揺さぶり起こされて呟いた、「食べたい」と。

外と隔離された空間で、ゆったりと時が流れる。
美ら島ブランチのテーマは『スロー&ヘルシー』
極上の時間と食材で、私は満たされた。




コーヒーを飲み終えると、テラスに出て深呼吸。私の中でも午後の時間が流れ始めた。

ずっと読みたかった長編小説を、ガーデンテラスのベンチで、開いてみる。頁をめくるにつれて、ストーリーの中に引き込まれていく。

そうだ、せっかくだからこの1冊を読み終えてから、帰ることにしよう。

私を見つめるもう一人の私に出会える時間、『アリビラ時間』が心地よく流れていった。



【取材協力】
 
ホテル日航アリビラ (hotel nikko alivila)
〒904-0393 沖縄県中頭郡読谷村字儀間600番地
TEL:098-982-9111(代)  FAX:098-958-6620
URL:http://www.alivila.co.jp


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(2005.11.29掲載)




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