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黒島の旅
みるくゆー
ミルク

競走が終わるとお昼休み。「ぜんざいをご用意しています」
とアナウンスが。
「え、もらっていいのん?タダで?ヤッホー!」
ありがたく頂くとしよう〜。

あれ?ぜんざいなのに、土のような色。粒々がたくさん入っている。小豆じゃないなぁ。麦?なんやろう。食べてみると…むちむちっ、と噛みごたえがある。あっ、なるほど、五穀だ!あわ、玄米、きび等々、たくさんの穀物の中に小さなお餅がゴロンと入っている。さらに、黒糖のやさしい風味が。

美味っしーい!

しかも、冷たくて最高だ〜。熱い沖縄では、ぜんざいまでもが冷たくなるのね。ああ、美味。島のおかぁちゃん達がきっと力を合わせて作ってくれたんだろうな。五穀豊穣って、納得や。こんなに幸せになる。そして、神様があらわれた。三線と唄がおごそかに流れる中、山吹色の着物のミルクが潮風の中に立っていた。

エメラルドの海を背に、銅鑼や太鼓の人を連れて、そっと、そっと、実にゆっくりと私達の前を歩いていく。島の人は、みんなミルクの一歩一歩を見つめていた。目を閉じて、頭を垂れている人もいる。弥勒(ミルク)は、海の彼方から世(ユー、幸せなこと)を運んで来る、みんなの神様なのだ。すると、とうとうこちらを振り返り、白い扇をかざした。「おお、ミルクがこっちをむいているぞ!」隣にいたお父ちゃんが言った。ドキッ、とした。えっ、…ミルクが私を見ている!白いお顔が微笑んでいる。私みたいな小娘の旅人にも、幸せをもたらそうとしてくれるのか。

慌ててお願い事をした。「いい旅になりますように。」それだけ心に思った。ああ私、ほんとに来てよかった・・・。感激とありがとうとで、なんだかいっぱいいっぱいになってこぼれそう。ただ呆然と見とれてしまっていた。

村々の奉納舞踊のあとは、2度目のウーニ・パーレー競争が行われた(勝敗は、今度は東筋村の勝利!)最後の「ナガレ漕い」の儀式では、再びパーレーでスイ、スイと沖まで出て行き、船に流れ込んだ水を陸まで持ち帰った。

ずっとずっと、大昔から繰り返されてきた豊年祭。熱かったけど、ここで見られてほんとに良かった!きっと、みんなが真剣だからだ。島のみんなの想いが、もう写真にも言葉にも、言い表しきれないぐらいぐらい感激だった。

祭りが終わるともう黒島を出る時間。あーもうちょっと居たかった…、と思いながら、石垣戻りの船の涼しいクーラーの中に入ると、すぐにウトウトしはじめた。海の緑色がまぶしい。頭皮が、髪の分け目が熱い。今度は、あのウーニみたいな素敵な彼氏と、一緒に来たいなぁ。私にもきっとミルクユーがくるはず…。

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島じょうご




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