|
取材で何度も与那国を訪れている美ら島編集部のmeabyさんの運転で、レンタカーを県道216号線へ乗り入れた。とりあえず島を一周しようと…
Stop! 道端の看板が目に入った。
「与那国町商工会むらおこし事業 与那国島産 長命草」
これはこれは幸先が良い。はやる気持ちを抑え、商工会に電話を入れと、栽培しているTさんへ直接連絡してほしいと自宅の電話番号を教えられた。その番号へ掛けると、畑に出ていて夕方まで帰らないと奥さんの返事。場所を聞いて畑を訪ねることにした。
Tさんは、ツヤツヤした笑顔で話をしてくれた。長命草は与那国ではグンナ、和名をボタンボウフウという。いつから「長命草」と言われるようになったかは分からないが、昔からお祝い事には必需品で、薬としても使われてきた。琉球大学で調べてもらったところ、何と抗酸化作用があることが分かった。そのままでは食べにくいので、ウコンやミントなどを混ぜてハーブティとして商品にしている。自分もそのお茶を飲んで健康だし、最近、髪の毛も増えてきたと、笑いながら帽子を取った。
食べてみたいというと、一枝手折って、好きなだけ持って行きなさいと言ってくれた。厚手の葉を口に入れたら少し苦味がする。お土産に空港で買った長命草のお茶を家で飲んでみたが、香りも爽やかに美味しく頂けた。
昔、昔、大昔、難破して与那国に辿り着いた中国人がいた。道端の草を摘んでいる老人に出会った。この草は何かと指を指して問うが、言葉の通じない老人は、これを食べる、そうすると元気になると身振り手振りで答える。Tさんのようにツヤツヤの肌に穏やかな笑顔を見て、歳を尋ねるが、言う意味が分からないので首を振る。すると、年齢不詳→長寿→仙人、その仙人が摘んでいる草は…と、想像力が豊かな中国人は、慌てて奪った船を必死に漕ぎ、故郷へ伝えた。東の海にある島には、仙人が住み、不老不死の薬があると。
道端に長命草とヨモギが生えているのを見つけた時、そんな妄想が浮かんだ。
蓬莱の「蓬」は、そもそも、与那国を始め沖縄ではポピュラーな食材であるヨモギ(勿論これにも薬効がある)の漢字であり、蓬莱も辞書には「よもぎがしま」と出ている。
|