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♪ ざわわ、ざわわ、ざわァわ〜っ♪ 広いイ、佐藤(こう、聞こえたのは、気のせい?)きびばァたけはぁ♪ はちろーさんの鼻歌、心地よい朝の風が車に流れ込んでくる。これから船に乗って、釣りに行くんだよ〜。♪ ざわわ、ざわわ、ざわわ〜♪
経由地の石垣に帰る日、15時20分の便だから、時間には余裕がある。
ダイビングの後に、飛行機に乗ってはいけないので、「今日の海遊び、午前中はトローリングでもいかがですか?」と、はてさんが提案してくれていた。「ねえ、街猫さん。トローリングってなあに?」ふうん、釣りかぁ。「H谷さんのように、釣れますように。」まあは、意欲満々。ねぼけまなこの山猫みいは、岸辺で昼寝と決めこんで、朝ご飯をお腹いっぱい食べる。うとうとしてたら、そのうちきっと、ツンツンってお魚が糸を引くよ。最西端の島で、のんび〜り釣りをするんだよ♪
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「佐藤先生! 大きいの釣りましょう!」朝から、気合充分のはちろーさんの運転で、海までドライブ。「ここも、島開発の工事中でね。」と言いながら、ハンドルを切る。着いたとたん、サッと降り立ち、大きな船に乗り込む。はちろーさんとマサ君はテキパキ準備して、釣り竿が船尾に立ち並んだ。潜行板の先にも2ミリぐらいの太い釣糸に、イカの形の蛍光ピンクやイエローの大小の疑似餌をつけて、船尾から放り投げ、空を睨む。
風や、潮の流れや波、カツオドリを見て、船を操るのだ。邪魔になるので、隅っこに座ってる、みい。街猫まあは、陸に降りて船をデジカメ写真で撮って、あたりを散策している。島猫はてさんは、甲板で海風に吹かれ、腰に手を当てて、ウルトラマン立ち。爽やかに沖を眺めている。
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沖に来ると船を停めるどころか、はちろーさんが、舵取りの指示を出し始めた。あれ? おかしいなあ。釣りって、じ〜っと停まってするものでしょ? 縦横無尽に突っ走ってどうするの?
「小魚の大群を目ざとく、空からは鳥が、海からはカツオが狙うので、その鳥を『カツオドリ』と呼ぶんだよ。」左はゆっくり大きく! 右へ右へ回りこんで! そぉう、そう! 指示の合間に「こうして舵をいっぱいに切って、右へ大きく船を走らせるとね、釣り糸が広がって船の下で絡まったりしないんですよ。」と、説明してくれる。あれっ? やっぱり、トローリングって、走りながら釣るのね?
「走りまわって疑似餌を、さも泳いでるらしくみせかけて、釣るんだよ。」
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「舵を右に切れ! 廻り込め! 左へゆっくり、そお〜ぅ、そう。右! 大きく右に廻り込め!」
「右に切れ! 右っ! カツオドリに突っ込め〜!!」はちろーさんが、豪快に叫ぶ。
映画の撮影現場みたい。しっかりつかまってないと、船から落ちたら、猫が魚のエサだ。
あいいろの海に、雲の間から何本か日差しがこぼれて、メタリックに波が光る。とうとうイカだと思って、カツオが食いついてきた。 |
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「先生!」はちろーさんが叫ぶと、急にみいはシャンとなり、2ミリぐらいの太い釣り糸を手繰り寄せる。はちろーさんに手伝ってもらって「わ〜い、大きいのが釣れたよ〜。」ぴんぴん跳ねてすごく重たいので、はちろーさんに尻尾を押さえててもらう。次の瞬間、甲板に、びしっ! びしっ! カツオを叩きつけて気絶させ、えら2枚目を指でちぎる。そして、発砲スチロールのケースに、ドオッと放り込む。どきどきして、十字を切る、みい。次は、まあの番だよ。
その内、みいは「もうだめニャ〜」とうとう甲板で、ノビテしまった。「カッコつけてがんばらなくても、もういいや〜」って一度寝そべってしまうと、気が楽になって、そのまま辺りを眺めていた。
船が近づくと、カツオドリが、サア〜っと散って行く。発砲スチロールの棺おけの中で、カツオがぴちぴち大暴れを始める。はちろーさんは蓋を開けて、こん棒を振り下ろす。ばしっ! ばしっ!
し〜ん。そして、何事も無かったように、もう一匹釣り上げる。「おお、ワイルド!」
はてさんは大丈夫? さすが島猫だけあって、相変わらず、にこやか〜。街猫まあも、元気いっぱいで、釣っていた。
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部屋で休んでいたら、はちろーさんは釣った魚をさばいたからと声をかけてくれた。まあは「船で、スケッチしてたせいかもよ。みい、大丈夫? 寝てていいよ。」と、いたわってくれた。「いやん、せっかく自分で釣ったのに、食べるぅ〜。」ここまでがんばったんだから、船酔いなんか何だ!
一口ぐらい食べたい。またとない、新鮮なカツオを目の前に、俄然パワーを出す、みい。
「こっちが刺身で、これがカツオのたたき」と、はちろーさん。ゲンキンなみいは、カツオのたたきが、ぷりぷりして美味しかったので、不調を忘れ、いくつもいくつも食べてしまった。
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採りたてのカツオと玉ねぎを煮たお汁も、塩としょう油をちらっとたらし、さっぱりしている。
「はちろーさんは、強いなあ。」すると涼しい顔で「朝めし前サア、今あさごはん。」ぱくぱくぱく。「ああ、おいしい。大根の太く切ったつまと一緒に、しょうがと、にんにくをつけてと。ここに、しょう油をたらすとうまいんですよ、これが!」ぱくぱくぱく。
ずる〜い! 知っていたら朝食抜いたのにぃ、と睨む、みい。はちろーさん、にやっ!
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