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「おはようございま〜す! ここ、いいですかァ。」山猫みい&街猫まあが食堂に降りていくと、すでに満席に近い。島猫はてさんは朝食をとりつつ、テレビでニュースやお天気をチェックしている。今日はいよいよ、船から海にエントリーするのだよ。「そう言えば街猫さん、昨日おかしな事を言ってたねえ。どうやって、ダイビングで回転するのよ?」と、みい。「だって、まあは初めてなんだもん。どんな体勢を取ればいいのサァ?」回されて戻したら、また回された? みいは、ぷっと吹き出してしまう。直してくれてるのに、何で戻すかなぁ? |
居合わせた人とも情報交換しつつ、ご飯を食べる。「O君もこれから潜るの? わ〜い、よろしくぅ。」わくわくするなあ。「昨日ですか? 我々は、世界最大の蛾『ヨナグニサン』を見ましたよ〜。あれです!」みいは、食器棚の上の標本を指差す。「今なら絶対見られますよ!」そこで、まあが口を挟む。「この人、触っていいですかぁ?って言った時には、もう撫でているんだよ。」
ん? 森猫さんが言っていた「ゆんたく(おしゃべり)文化」が、みいにも身についてきたかしらん?
「お邪魔しましょうね?」と敬いつつも、有無を言わせず、すでに靴をぬいでいる沖縄なのだよ。
| さあ、ショップに行って、お着替えタ〜イム。まず熱帯魚のいるアンカーポイント。その後、はちろーさんが発見した、海底遺跡ポイントへ潜るのだ。昨日着たウエアを出してもらう。やっぱりみいは、おチビさん? 手が短いのかなあ、とほほ。「お尻ちいさ〜い、腕細ーぃ、ウエットスーツ余ってますよ」とインストラクターのカナエさんにほめられ、気をよくする。街猫まあは「もっと大きいサイズ、無いですか?」と聞いて、はちろーさんに「やせなさい!」と叱られる。うひひ。ミキさんが「ショップで一番大きいウエアが、これなんです。」と申し訳なさそうに言う。「今、やせなさい!」と意地悪な、みい。 |
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ウエアの中には、新しいビキニ。赤と紺でハイビスカス柄。短パン付きで「いい感じぃ」と自画自賛。船上トイレにも、着替えにも便利。ワゴン車で海に着き、機材と共に船に乗りこむ。ポイントに着くまでに甲板で丸く輪になって、インストラクターの親玉?海猫ゆみさんから、地図で位置を確認し、潜行計画や、空気残圧計の見方など、ていねいな説明を伺う。
そして船べりに腰掛けて待つ間、みんなでおしゃべりして、写真を撮って楽しむ。
「ウエイト、もう1個つけましょうね。」ゆみさんは、昨日の講習時のみいの様子から、テキパキと指示を出す。カナエさんやミキさん、マサくんらたくさんのスタッフも付いてくれて、潜る時はバディーと一緒だ。機材をつけて「いっせーの!」で、船べりに腰をかけて何人かは、後ろに体を倒し頭から海に。みいは船尾から立ったまま、一歩海に歩き出す形のジャイアント・エントリー。
しっかりとマスクとレギュレーターを押さえて、いちにのさん、はい。ドボン!
海面に出揃ったら、さあ潜行開始だ!
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「体験ダイビングで遺跡に潜るのではなく、しっかり習ってから行くのですよ。」はちろーさんの計らいで、きのう事前講習をしてもらえて、気持ちに余裕がでてきた、みい。
潜って行くうちに耳が痛〜くなってきても落ち着いて、カナエさんに「耳が変だ」とハンドサイン。少し浮上して耳抜きをして、OKを出す。そうやって、ゆっくり海底に到着。ホッとすると「わあ、お魚がいるぅ!」急にまわりが見えてくるよ。
「お! 街猫だ。結構やるなあ〜。足も速いしスキーもうまい。やはり運動神経がいいんだァ〜。」しばらく見守る。しかし? ウエアのマークの色が微妙に違う? なんだ、O君か。そうだよなあ〜。まあはいずこ? まだ上のほうで、海猫ゆみさんとバタバタしていた(笑)。「痛っ! 何事?」ぶつかってきたのは、街猫まあだ。いつのまに? みいに当たってもまだ、水を掻いてて海亀みたい。「ぎゃっ、危ない!」レギを死守。こうなると怒りたいが、水中だと喋れない。ヘタに押し返せば、まあがパニックになるだろうし。ホントに、もうっ!
一難去って、また一難。海底では、ぷかぁと体が斜めに浮いてきて、うまく座れない。間抜けな自分に、今度は笑えてきた。そして岩に掴まってるうちに、その手袋の手で、頬を撫でてしまった。とたんにチクチク、ひりひり。「ぎゃあ〜!」鋭い歯や毒のある魚には注意しても、海草にまでは気が回らなかった。カナエさんが「膝を付けて」とゼスチャー。あら簡単に出来たよ。
海の底はお花畑。イソギンチャクのような透き通った、ハナガササンゴ。パステル紫のちいさな花がびっしりついて、ゆらゆらしている。まわりを眺めると、ああステキ。珊瑚の上やあいだを、青い魚たちや、黄色と黒のハタタテダイが、澄ました顔で通過するよ。巨大なループ状の茶色い棚があんなところまで広がってる。マリンブルーで蛍光カラーの模様入りは、ベラの仲間か。
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カナエさんが何かみつけて、手のひらに載せてくれた。「何これ?」見せると、うんと頷かれる。
わからないけど、海中なので仕方なく、みいも「うん。」レギをくわえているので目が笑わず、カナエさんが真顔なのがおかしくて、笑いそうにもなる。ふと見上げた海の色に、わあああああ!? 海って蒼い、青い、あお〜い! 海の色ってこんなに青いんだ、びっくりだよ。その青を吸い込んだ水玉模様のちいさな生き物。街猫まあが、また寄って来たので、そおっとみせながら、気がついた。去年、JTAの機内誌に特集されていた『ウミウシ』だ、やったあ! 初めて見たよ。 |
うれしくなって、まあと手をつなぎ、マスクを押さえて見上げる。グルクンの魚影が横切って行く。
バーンと青く、抜群の透明度。30mは行くかも。目が良くなったかと錯覚しそう。
黒潮の流れに乗り、いろんな魚が回遊してくるので、与那国の海には、四季もあるよ。
みいは水族館の壁色、わざとらしい青だなあと、いつも心で悪態をついていた。その青が本物とは知らなかったね。まあは安心したのか、おとなしく、みいを見つめている。青い色に心が静かになってくるよ。ふたりだけの世界、LOVE〜。
みいは、海に見惚れていたが、ふと随分ここにいる気がして、空気残圧をチェック。「もっともっと、ここに居たいよ。」主人の街猫まあは、この春も花粉症。一緒にダイビング出来るか謎だった。耳鼻科で「風邪で鼻が詰まってなかったら、問題ないよ。」思ったよりも簡単に、お墨付きを貰っての、初ダイブ。「上がる理由が見つからない。」マイヨールさんの心境だよ。
甲板に上がりタンクを下ろすと、にこやかな島猫はてさんが迎えてくれる。
「きれいでしたかあ?」ん? はてさん、潜ったこと無いんですか? そうなのお? 島の人なのに?
潜った事が、無い! ふうっ……もったいないですねえぇ。信じられないねっ!
「そんなに、キレイなんですか?」って、島の人が聞くかなあ〜。なんでみいが、語るのか?
反対ではないか? みいは連れて来てもらい、船上で待機してくれている島猫はてさんなのに、まだ興奮さめやらず熱く語ってしまう。何という、思いやりのなさよ。 |
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「すごい、きれいですよ〜。忠実な青、言いようが無いなあ、実際に見せたいよ!」まだ言うか、みい! すると、はちろーさんも「次回は、一緒に潜りましょうね」と、やさしい。
はてさんは、みいのあまりの感動の様子に、ちょっと心が動いたようだった。
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色とりどりの点在する魚と珊瑚の遠近、その背景か前景か、水の中では空間距離の概念がなくなり、フラットな青を体感した。透明なのに、限りなく青い。興味がある方は、潜ってみては? 百聞は一見にしかず。ゆみさんが、「いつもはもっと明るいんですけどね。」お天気が曇っていたせいで、いつもより海の色が深かったって。
「今日の海、サイコー。すばらしい、ビュリホ〜!」感動が、言葉が溢れてくるよ。 |
O君が上がってきた。「主人だと思ったら、上手すぎるのでよくみたら、キミだったぁ。」
「僕まだ、50本しか潜ってませんよ。」しか? 他の女の子達は「まだ40本です。」まだ?
そこで、街猫まあが堂々と「ダイビングは、これが初めてです。」と言い放つ。
「え〜! 信じられない。」一斉にブーイング。「うわっ、世界中まわって、もう、そろそろいいかな?と来たんですよ。最後の与那国、最後に遺跡でしょ!」とO君も。
「そうなんですか、私よくわかってないもんで」と頭を掻く、まあ。
オキナワと言う響きにつられて、みいのおまけで「くっついて来ただけの、街猫まあ」なのだ。
ミキさんが潜る前にガムをかんで、あごを動かしておくと、耳が抜けやすいと教えてくれた。
あとは潜る前に耳抜きを一回しておくとか、唾を飲むとかも有効。なるほどねえ。そうだ、街猫に文句を言ってやろうと思ったら、全員ノビてる! 後で聞いたら、体を休ませていたのだとか。みいは、びっくりしたよ。
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