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学生時代、親友の宏の家がみんなの集まり場所だった。
授業が終わると、誘い合わせることなく一人、またひとりとやってくる。たまに夜中騒いで、宏のお母さんに叱られたりもしたけれど、楽しい思い出がたくさん詰まった場所だった。
時は流れ、宏家が引越しをすることになった。
これまでお世話になったことだし、と、引越しの手伝いをすることに。
えっさほいさと作業をした。
宏のたんすを運び出そうと中のものを出し始めたら、出るわ出るわ、いったい、いくつあるのだろう、と思うくらい泡盛の一升瓶が現れた。「こんなにたくさん、誰が飲んだのか?」と聞こうとしたが、考えるまでもなく、僕らが飲んだ泡盛のビンの数々だった。…、数えてみると、ありゃりゃ、その数なんと43数本!!
でも、彼の部屋が集会場になって以来3年の間には、2度片付けたそうだから、実際はこの3倍程、彼の部屋で飲んでいたことになる。
空きビンを見つめながら宏の部屋で語り合った日々を思い浮かべ、少しの間みんなで浸った。宏が失恋した日、みんな集まって飲んだっけ。
その時宏は一升ビンから一気飲みしたけど、翌日はけろっとしてたよな。真剣に人生を語り合った日もあった。笑ったり泣いたり喧嘩したり、思い出多き日々だった。
当時はみんな貧乏学生だったから、ポケットから小銭を出し合って今日はビールも飲めるぞとか、おつまみは買えないなとか言いながらも、必ず一升瓶だけは買った。足りない時は誰か呼んで、小銭を出させて買って飲んだ。−EVERYDAY WITH AWAMORI−
無事、引越しも終わり、宏家は新しい場所での暮らしが始まった。
1週間程経って旧宏家に行ってみた。しかし、そこにはあの赤瓦屋根の木造住宅の姿はなく、解体工事で取り壊された瓦礫の山があった。
仰げば尊し我酒の恩 いちゃりば庭にも早幾年
思えばいととしこの年月 今こそ分かれ目いざさらば
ふー、形あるものいつかは壊れる。
でも思い出は心の中からは消えない。泡盛とともに。
あのころから宴の席にはいつも必ず泡盛があった。
生活の中に当然のごとく、人が集まれば登場してきた。
今でも、そしてこれからも、いつも泡盛日々泡盛。我人生とともに。
ん? そういえば大阪へ行った宏は元気かな、電話してみようっと。
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