
沖縄本島の金武町(きんちょう)は、長寿の泉と呼ばれる金武大川を抱く土地。その金武町にある(有)金武酒造では、ちょっと変わった場所で泡盛を貯蔵熟成させている。変わった場所というのは、近所のお寺の庭から入る鍾乳洞の中だ。急な階段を下りて鍾乳洞を奥へ進むとステンレス製の貯蔵タンクがあるのだが、さらに進むと住所と名前の書かれた札が付けられている一升瓶たちと出会うの。
金武酒造では、龍という銘柄の泡盛を鍾乳洞の中で寝かせて、古酒熟成するサービスを行っているのだ。お客様から保管料をいただいて、約束の期間熟成させたあと、届けるか、直接引き取るというものだ。
預かり期間は5年と12年だが、継続もできるから、人生の節目の祝い酒として、預かってもらうのもいい。
例えば、子供が生まれたら、二十歳の誕生日を祝う酒として20年間預かってもらい、誕生日に届けてもらう。もしくは、家族で沖縄を訪れて、20年の時を振り返りながらみんなでゆっくりと味わう、というのも素敵な旅の思い出になる。
結婚記念や贈り物にと貯蔵目的はいろいろで、年々、申し込む人は増えているそうだ。毎年自分の預けた一升瓶を確かめるのを楽しみに沖縄を訪れる人もいるらしい。
鍾乳洞で時を待ちながら育ちつづける泡盛、その成長を密かな楽しみにしていくというのも素敵。
社長さん、オーナーのみなさまは、時が来るのをワクワクしながら楽しみにしているのでしょうね、と聞いてみた。
『うーん、でも、たまーに困ったことがあるんですよね』とのお返事が。
『転居先不明で送れなかったりすることがあるんですよね。』ま、これは仕方がない。
『でも、もっと困ったことがあるんですよ、連絡が取れても送れないことがあるんですよね。』へー、おやおや、なぜに?
『カップルで貯蔵しに来て、期間満了で連絡したら、「もういりません」というお返事が返ってくることが…』 あっちゃー…。
ま、人生いろいろ、赤い糸がつながっているのかどうかは、時が来なければわかりませんから、若き日の旅の思い出として貯蔵する際は、念のため2人の住所を知らせておいたほうがいいかもしれませんね。
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