
泡盛の味って仕込むときに造れるんです。
そう言い切る酒造所を1箇所知っている。
そこは現在2代目が酒作りを引き継いでいて、あまり知られていないものの、たくさんの新しい試みを続けている酒造所だ。
屋外に貯蔵タンクを置いたのも、もしかしたら県内で初めてだったのかもしれない。
そこの2代目と話しているときに、味を作れるという話を聞き、それを、品質設計と呼んでいると語ったので、何がどうなのか尋ねてみた。
すると…
自分が酒作りに携わることになったとき、貯蔵タンクを飲み比べてみると不思議なことがあった。5年タンクと8年タンク、普通なら8年タンクのほうが熟成時間が長いから当然8年が美味しくなっているだろうと思っていたが、どうも違う。先代に尋ねてみたが、創り方は変えていないの一点張り。それでは…ということで、半年ほどの間、毎日仕込みの際に気温や湿度、天気、蒸し時間を細かく書きとめ、グラフを作った。
そうすると、波が二つできた。ある一方の条件で仕込みをすると熟成が早まり、もう一方だと遅くなることを突き止め、その条件を整えればいつでも同じ味の酒を造ることができるようになった。
だから、うちは仕込む前にどんな味になるかわかるんです。
でもね、それを言い出した頃は、大先輩たちからいじめられましたよ。
何も知らんくせに若造が判ったようなこと言うな!って、呼びつけられたこともありましたね。でも、自分がやっていることは間違いではない、そう信じながら自分たちの方法で酒造りを続けてきました。今では大先輩方もその話を受け入れてくれてますよ。
と語った。
戦いですね。挑戦ですね。
何事も新しいことを行うときには、壁や風にぶち当たるもの。でもそれを超えてこそ、未来があるに違いない。
ちなみに、減圧蒸留の泡盛は泡盛じゃないという酒の評論家もいるらしい。それで、製造側は減圧と表記するのをためらっていると聞いた。
しかし沖縄で今一番売れているのは減圧蒸留の泡盛であるのはなぜか?!
ということを忘れてはいけない。飲みやすい、美味しいと消費者に受け入れら評価されているからだ。
以前、沖縄県内で一番売れている減圧蒸留の泡盛を作っているメーカーの10年古酒を飲んだことがあるが、そこの製造技術レベルがいかに高いかが納得できた。酒造りに自信があるから試みができたのだと思う。
泡盛も作り手の世代が変わっていくとともに、飲む人の世代も代わっていくのは間違いない。過去を大切にしながら、新しい試みも続けていかなくては発展や成長はきっと起こらないではないかと思う。
そんな思いを心で受け取って酒を飲むこともきっと大切なことだな、と思う今日このごろです。
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