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翌日、重い頭を持ち上げて海に出る準備を始めた。ポタポタと昨夜のアルコールが一瞬にして汗となり、額をタオルで拭っても止まる事なく流れ落ちてくる。仲田君のお母さんが、ポークと卵を挟んだおにぎりをもう用意して下さっていた。「早く出ないと魚はいなくなるさぁっ」と笑いながらそんな事を言った。
そんな僕らを見に、直ぐ近くで店を出している大東そば屋の伊佐君のお父さんも顔を出してくれた。「島もいいだろう」。本気でその言葉がぐっときた。牧志の大東そばの味をその時、一瞬思い出す。
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今回は仲田君が舵を持つ。今回の目的はキハダマグロとトレバリーを狙いたい。大きさなんかは気にせず、のんびりとスケールの大きいこの南大東島で釣りを楽しんでみたい。お母さんのおにぎりを忘れずに持って船へと乗り込んだのであった。 |
船は島に沿って進んでいった。「これ」といったナブラを見つけてキャストを開始する方法でスタートとなったのであった。
潮上からざわざわ小魚達が何かに追われて水面に持ち上がっている。時々、ザッと水しぶきを上げ、ビックリしたような動作が見える。きっとフィッシュイーターが付いているんだろう。誰もがそう信じた。
この島出身の仲田君は、今は沖縄本島でトレバリーゲームのキャプテンになるべく、船のクルーをしながら修行をしている。彼の想いはこの島でロウニンアジを釣り、キャッチ&リリースをする事。「平松ちゃん、これ投げさせて」彼は一言断り、力強くルアーをそれめがけてキャストした。これ、とは目の前にある、ざわざわした、小魚達の群れ。「ザッ」。水面でザワザワしていた小魚達が、着水したルアーに驚き逃げる。その直ぐであった。ルアーに魚が襲い掛かった。フッキングを入れ、ファイトが始まる。それ程大きくないのは彼のやり取りを見ていて分った。でも、慎重に魚を寄せてくる。ゆっくりゆっくりと。
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魚が浮いてくると、それは目的にしていたロウニンアジである。しっかりとリーダーを掴み、ハンドランディングに成功した。やった!! 三人共、大喜びである。釣った本人が何よりも嬉しいのだが、この一本はそれ以上の喜びの強い魚である。“島で釣りたい”そう言っていた彼の笑顔は知らずと島人(しまんちゅ)の顔となり、童心に戻り、僕らの心も豊かにする。これで十分。 |
三人共、競争する事なくゆっくりとその後も流れる時間の中で、サンサンとふりそそぐ太陽光の下、のんびりフィッシングは続いたのであった。サイズではない一本。
心に残るその魚が一生の宝となるのであった。
今回の旅も、またひとつ、そんな宝物を手に出来た旅となったのであった。
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