うるま市(旧勝連町)の中高生が演じる「現代版組踊 肝高の阿麻和利」は、
僕の中でも最も大きな意味を持つ作品の一つだ。初演が2000年3月。当時、僕はまだ若い(?)30歳の演出家で、そんなに大きな実績もない普通の青年だった。
「肝高」とは「志しが高い」というこの島の古い言葉、「阿麻和利」とは、世界遺産にも登録されている「勝連城跡」十代目の按司(あじ=王様)の名前で、550年前に勝連半島(沖縄の中部、東半島)を広く納めた、武将のことだ。
主催者である、勝連町教育委員会教育長の「上江洲安吉」氏は、僕に3つの条件を話し始めた。一つ目は「地域の伝統芸能をたくさん織り込んだ内容にしてほしい」ということ。二つ目に「逆臣、逆賊『あまわり』を、英雄『あまわり』に仕立ててほしい」ということ、そして三つ目に「演じるのは全員、地域の中学生でお願いします」ということだった。
「田舎モノのうちの子ども達に、そんな大層な芝居、それも組踊という古典劇を演じきれるわけが無い!」思いがけず、異を唱えたのは他でもない、地域の大人たちだった。
「平田さん、悪いことは言わない、演るのなら、大人で、そうそう、文化協会でやったほうがいい」
喧々諤々と飛び交う意見。皆がそう言うのは、歴史上の「阿麻和利」という王様は、琉球史では首里王府に楯突いた謀反人のレッテルが貼られているからだ。教育長の想いは理解出来るものの、大人たちの意見も無理は無い。
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