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沖縄を伝える〜歴史〜南島詩人・平田大一 歴史探訪シリーズ「天然島人〜島を歩く、歴史を歩く」第1話/「歌う風の声を聞け」

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第2話/「負の世界遺産〜浦添城跡」
沖縄を伝える〜歴史〜

 地域の伝説や伝承の舞台の台本を書く上で、心がけていることがある。少し怪しい話しっぽくって気後れするけど、思い切って言うとそれは、
「古の者たちとの語らい」を大事にすると言うことである。

 ある時は城跡に、またある時はその古人のお墓に出かけ、声なき声に
耳を傾け、姿なき者たち相手にただひたすらに、自問自答の繰り返しを
するのである。

 見えない力が僕の背中を押してくれて、僕は何度となく、その思考の
迷路から抜け出したことがある。

 

 
 あれは今から5年前。浦添市前田がまだ僕の個人事務所だったときのこと。当時、僕は浦添城を舞台にした「英祖王」の物語「太陽(てぃーだ)の王子」という作品作りに必死だった。

 本番が間近になったある日、僕は一人、城にのぼった。朝もやの陽ざしの中、ひっそりと厳かな空気に包まれ、シンプルな気持ちで僕はディーグ洞(がま)のある「浦和の塔」に向かった。そしてその「朝もや」が、実は線香から立ちのぼる、おびただしい白い煙であると気がついた瞬間、僕の脳裏に鮮やかな記憶がよみがえった。  

「浦添城は、どうして世界遺産に登録されなかったのですか?」

あの日、城案内をしてくれた浦添市の文化財担当の下地氏への質問は実は何気ないはずだった。彼は、小さな溜息を一つつくと、僕に短くこう答えた。

「整備が間に合わなかったからですよ・・・」

僕は彼の言葉の意味が解らなかった。
やがて、ぽつりぽつりとこう続ける。

「『遺跡』を掘ろうとしたらね、平田さん、『遺骨』が出てくるんですよ。城の整備の前に、まずは遺骨収集から始めなければいけなかった。僕たちは、その作業を三十年近くやってきたんです。気がついたら世界遺産登録に間に合わなかった。悔しいですよね。首里城より、もっと古い王都(みやこ)が、ここにあったはずなのに・・・。」 

そういって、静かに手を合わせた。

 

 
浦添ようどれ

浦和の塔

浦添城跡

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