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沖縄を伝える〜歴史〜南島詩人・平田大一 歴史探訪シリーズ「天然島人〜島を歩く、歴史を歩く」第3話/「組踊を作った琉球の劇聖『玉城朝薫』にせまる」

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第4話/「尚巴志(しょうはし)〜鬼鷲という名の王の物語を紡ぐ」
沖縄を伝える〜歴史〜



  今年、十月上旬に公演される予定の舞台「現代版組踊 翔べ!尚巴志」

  現代版組踊作品としては、僕にとって集大成の舞台になるかもしれないこの作品は、全県の中学・高校生を対象に出演者の募集をかけ、オーディションを開催。選りすぐれた五十人での大舞台になるはずだ。

  歴史家の大盛永意氏の著作を元に、今回この舞台の演出を担った僕は、自身のフィールドワークを敢行することにしたのだ。

  実は僕は、「何故僕が尚巴志王に光をあてねばならないのか」その意味を、見出していなかった。その答えが、この墓にあるかも定かではないが、行動しなければ、道は見えてこない。先人たちのかつて立っていた地で、想いを巡らし、古きを見つめる眼差しから、未来を見出していこうと必死だった。


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 最初に出会った小さな岩には「平田之子墓」と刻まれていた。
 僕はそっと手を合わせて心で語る。

「尚巴志さまを今もお守りされているのですね。どうか、この僕を、尚巴志王の元まで案内してください」

 続いて現れた「屋比久之子墓」にも同様に合掌。
 瞬間!ひと際大きな風が吹く。僕はゆっくり立ち上がりその風の吹いてくる先に歩き出した。

 そして、遂に「尚巴志王」その墓の前に立った。

 静かな時が流れる。自然と体が小さく震えた。僕は大きく深呼吸。ゆっくりと手を合わせ祈る。

「王よ、僕はあなたの舞台で一体何を伝えねばならないのか」

 手向けた線香の煙が僕の体を包み込む。もう一回深呼吸。

「どんな結果になろうとも、後悔なき作品に!」

僕はゆっくりと目をひらいた。

 答えはまだ見えない。それでも、僕がこの舞台に関わる意味は、必ずあるはずだ。想像力と、直観力を信じ、僕は新たな歴史物語、その入り口の扉を開いていこう。

「鬼鷲」と呼ばれた王の物語のその入り口で、僕は一人、そう決意する。

 

                                 南島詩人/平田大一

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