最初に出会った小さな岩には「平田之子墓」と刻まれていた。
僕はそっと手を合わせて心で語る。
「尚巴志さまを今もお守りされているのですね。どうか、この僕を、尚巴志王の元まで案内してください」
続いて現れた「屋比久之子墓」にも同様に合掌。
瞬間!ひと際大きな風が吹く。僕はゆっくり立ち上がりその風の吹いてくる先に歩き出した。
そして、遂に「尚巴志王」その墓の前に立った。
静かな時が流れる。自然と体が小さく震えた。僕は大きく深呼吸。ゆっくりと手を合わせ祈る。
「王よ、僕はあなたの舞台で一体何を伝えねばならないのか」
手向けた線香の煙が僕の体を包み込む。もう一回深呼吸。
「どんな結果になろうとも、後悔なき作品に!」
僕はゆっくりと目をひらいた。 |