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ある日、大浜村に建つ「オヤケアカハチの像」を見に行った。はちきれんばかりの筋肉隆々な体を後ろにねじりながら、何か大きな声で叫んでいる独特な立像。短い着物は農民姿そのものなのに、その眼光は今にも動き出しそうで、左手に太い棒、右手を真っ直ぐ前に指差し、渾身の気合で首里軍に立ち向かっている姿に、胸が奮えた。
僕は彼の指差す方向に、その仕草に興味が湧いてきた。
「彼は、どこに向かって行こうとしていたのだろう・・・。その指差す向こうには、何が待っていると思ったのだろう。」
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その瞬間である。「・・・みちしるべ。」
と言う言葉が、脳裏に浮かんできたのは。アカハチが、その生き方を通して伝えたかったもの。それは「人間として忘れてはならない『道標』、小さな島に生きる者としての生き方を、未来に生きる八重山っ子たちに指し示してくれていたのではないか!」と。
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一個、キーワードが見つかると作業が一気に進んだ。テーマソング「道標の詩〜みちしるべ」も、こうして生まれた。

そして最大の課題だった、アカハチと長田大主の関係性にも、僕は新たな解釈を見出していた。「第四幕/闇夜の契り」。それが、僕が名づけたその幕のタイトルだった。
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決戦前夜の月夜の晩、アカハチと長田大主は誰にも知られない密会を果たす。
これ以上騒ぎを大きくして島人に無駄な命を落とさせないためにも、自分が囮になり底原山の奥に向かうから、長田大主よ、先導して首里軍を引き連れて追いかけてきてくれ!と、懇願するアカハチ。
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そして、自分の最期は、青っちょろ(長田大主のこと)、お前が俺を倒すのだ!と提案をする。「どうせ死ぬのなら、お前の手にかかって死にたい!」とアカハチ。
やがて長田大主は、到底、受け入れられない幼なじみからのこの計画をあえて、受け入れる決心をする。
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そして彼は、逆心アカハチの首を取った報奨として、尚真王との直接対話が可能になる謁見を申し出る。八重山の島人たちの想いを、アカハチの真実の姿を、王府の権力を笠に着た島役人達の悪行を、尚真王に、命を捨てて直訴するのである。
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全てを打ち明けた、長田大主は最後にこう叫ぶ「アカハチ、お前との約束、確かに果たしたぞー!」
この場面になると、毎回決まって会場からは割れんばかりの拍手が起こる。
勿論、僕のこの解釈が正しいとは限らない。あくまでも、僕の想像の域の中を脱しきれない。でも、舞台終演後の外でお客様を見送るさい、僕は長田大主の門中(親族)と名乗る人と、オヤケアカハチの関係者を語る人の両方から「ありがとう、ありがとう」と、握手を求められたことだけは、事実だ。
南島詩人/平田大一
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