長編叙事詩 オヤケアカハチ」を世に出した当時(昭和11年/1936年)、作者「伊波南哲」は34才。翌12年には、東宝系の映画館で歴史スペクタクル作品として上映もされ、小さな島の英雄「アカハチ」の名前は一躍、知られるところとなり、その後も、舞踊化、ラジオドラマ化までされた。かつて、アカハチ物語の誕生秘話として、伊波南哲はよくこう言っていたらしい。
「小学校5年生の時の受け持ちの先生で、郷土研究家の『喜舎場永旬』先生は、アカハチ英雄説に言及され、『こんなふうに、誤り伝えられた歴史は、本来ならば研究家の手で書き改められるべきであるのですが、それよりも!やがて、諸君の中から詩人や小説家が出て、オヤケアカハチの正しい姿を、日本中の人たちに伝えてくれたのなら、どんなにか喜ばしい事だろう』といわれた。思えば、この日から私の胸にオヤケアカハチなる偉大なる人物の魂が宿ったのである(少年少女歴史小説 オヤケアカハチ/「はしがき」より)」
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