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沖縄を伝える〜自然〜海人写真家・古谷千佳子「沖縄の海と自然を伝える」
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第10回/海とママティー

沖縄を伝える〜自然〜



(撮影スタイル)
その頃は一見、メタボなお腹だったのですが・・・その時のエピソード。

膨らんだお腹にいつものウェットスーツでは不都合なため、男物のウエット
スーツを着て対応していました。これで寒さはしのげるものの、お腹周り以
外は遥かに自分のサイズよりも大きいので、全体にはダブダブ。よけいな
浮力も突いてしまい、沈むのが大変でした。
その浮力を押さえるためには、「おもり」(=ウエイト)をつけなくてはならない
のですが、お腹を締め付けると赤ちゃんが窮屈になって可哀想だと思い、お
もりをウエイトベルトに括り、たすきがけにして潜ってみました。
しかし、いつもやっているように、ジャックナイフダイブ(水面で腰を90度に曲
げ、頭から潜る方法=ヘッドファーストダイブ)で潜ろうとすると、ウエイトが先
にズボンと落ちてしまい、潜れませんでした。そこでフィートファーストダイブ
(足から先に潜る方法)で潜ってみました。

 

 


ウエイトベルトは、外れずに良いのですが、水中で体をひねり、水平になる迄(水中撮影する姿勢を作る迄)の時間が少しかかるため、水中で撮影する時間を取られてしまいます。
どうしたら良いのか、あれこれ考えたあげく、ウエイトベルトを背中線に沿って、肩から縦に掛けて股を通すように巻くのが良い!という結論に至りました。
同船していた海人に、そのように固定してほしいとお願いすると「危ないプレーをするみたいで、怪しいから嫌だ」と断られてしまい(笑)、仕方なく、ウエイトベルトをお腹周りに緩く絞め、心もとない補佐の紐を付けて潜ったのでした。

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海人と出会って約20年。あちこちの海に同行し、夜の海もさんざん潜ってき
ました。サメが後を付けてきたり、ダツが目の前を飛んでいったりと、危険な
シーンにも何度も遭遇してきましたが、好きな事をしているのだから何があっ
ても仕方が無いと思い、それほど気にしていなかった私が、夜の海を初めて
「怖い」と感じました。

「もし、自分の持っている電灯の光に、ダツが突っ込んできて、お腹に刺さって
しまったら、どうしよう、、、」もちろん、そうならないように、船のライトを煌々と
照らして、魚が別の場所に行ってしまうように、海人は工夫してくれましたが。
守るものが出来ると、怖いものが出来るんだ、、、、そんな事を初めて感じたの
です。

ドボン、、、、。
そうして、サンゴパワーを母子ともにいただいたのです。

 

 


人間の生命誕生のドラマは劇的です。お腹に宿った命は細胞分裂を繰り返し、原始の海と良く似た羊水の中で、約5億年前に誕生した「魚類」から「両生類」「爬虫類」そして約6500万年前に出現した「哺乳類」と生物進化過程のすべてを辿ってしまうのです。
私たちの祖先と考えられている背骨を持つ魚が棲んでいたのも、“アイアペタス海”という太古のサンゴ礁だったようです。およそ5億年前に存在したアイアペタス海は、小さな大陸の間にひろがる浅い海で、やはりたくさんの生き物が住んでいた場所だそうです。

日に日に大きくなるお腹。6月のサンゴの産卵時期はずっと小さかったのですが、私のお腹は、メタボ患者よりも遥かに大きくなってきました。


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(2009.01.20掲載)


美ら島物語「沖縄の海と自然を伝える」第10回「海とママティー」

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