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ある日のこと、銘苅子という男が野良の帰りに松の木の下の泉を通ると、天女が水浴びをしていた。天女を一目で見初めた銘苅子は、羽衣を盗み、妻になれと言い寄る。羽衣を盗られ昇天できない天女は、仕方なく銘苅子と夫婦になることを承諾する。
歳月を経て、二人の子をもうけた銘苅子と天女。四人は仲良く暮らしていたが、ある日、子らが歌う子守歌を聞いて、天女はあの日盗られた羽衣が米蔵に隠されている事を知る。 |
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迷いながらも、昇天する事を決意する天女。二人の子を寝かしつけ、羽衣を身まとう。目が覚めて泣き叫ぶ子らを遥かに見下ろしながら、天女は断腸の思いで昇天する。
母を探し求め、毎日のように野原をさまよい歩く二人の子。銘苅子親子の事は、やがて王府まで知れ渡るようになる。「不思議な事もあるものだ」と感心した王府は、銘苅子親子を取り立てる事に決める。銘苅子には位階を授け、天女の子である二人の子、姉(思鶴)は城内で養育し、弟(亀千代)は成人したら役人に取り立てようと申し出る。
悲しみにくれていた親子だったが、これは果報なことだと喜び、踊りながら家へ帰る。 |
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登場人物 |
銘苅子、天女、女子(思鶴)、男子(亀千代)、上使、供(一)、供(二)、きやうちやこ持 |
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物語のはじまり |
銘苅子が天女に求愛、結婚。二児をもうける。天女は羽衣を探しだして身にまとい、昇天する。 |
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物語の結末 |
王府が銘苅子親子を取り立てる。 |
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ここが見所! |
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(1)天女(母親)が二人の子を寝かしつけて、昇天する場面。
(2)母親を失った二人の子供が、父親の銘苅子に悲しみを訴え、銘苅子がその子らに語りかける場面。 |
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