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沖縄の島歌巡り 恋ししまうたの風 〜南の島々のうたを訪ねて:第8回「「黒石森城節」」

「伊良部トーガニ」の歌詞と大意

【歌詞】

一、サヨーイ 伊良部とぅがマーン 間がまんなヨ
     ぱなりゆとぅが間がまんなヨーイ
     渡す゜じぬマーン 休す゜じぬあてゃなむぬヨ

ニ、サヨーイ 渡す゜じやマーン 舟子だりゃヨ
     休す゜ゆじや水巣小だりゃヨーイ
     舟たどぅりマーン 水巣やたどぅり通い参ちヨ

    

三、サヨーイ 夕凪小んな イラヨかなしゃヨ
     板戸小や音高かりゃヨーイ
      鳴らんやどぅマーン むしる戸ゆ下ぎ待ちゅりヨ


工工四はこちら


(大意)
  一、伊良部島との間には 離れ島との間には
     渡る瀬が 休む瀬が あればよいのに

 二、小さな舟で瀬を渡り 水巣で舟を休め
     舟を使って水巣をたどって通っておいで下さい
 
  三、夕凪時は かわいい人よ 
     板戸は音高いので 音の鳴らないムシロの戸を下ろして待っていて下さい

 

「伊良部島の島建は700年ほど前です。『トーガニアヤグ』、『伊良部トーガニ』は
推定500〜600年前に伊良部で暮らしていた唄の名手・トーガニがつくりました」
と、トーガニについて語る琉球音楽宮古民謡教師の譜久島方上さん。

「アヤグのアヤは調子、グは歌詞という意味。『トーガニアヤグ』は『トーガニがアヤグ』という意味で、
『が』が省略されたのです」。
唄の解説をしつつ、方上さんはご自身で準備されていた白い紙にボールペンを走らせ、
どこかの地図をサラサラと書き上げました。

地図には大里村(うふざとむら)が中央に描かれ、北に遠見村、南にフナハ村、
東には大どう村(うふどうむら)といったむかしの村落の名称のほか、「大里お嶽」、「ウプカニお嶽」など
いくつかの御嶽(ウタキ)も記されています。

方上さんの解説によると、トーガニが暮らしていたのが「大里お嶽」で、祀られているのは「ウプカニお嶽」。
そして、「乗瀬お嶽」には、トーガニの美しい娘・タマメガが生き神になったという伝説があるとおっしゃいます。

大里村で農民として暮らしていたトーガニは唄の名手でありました。
島で干ばつが続いたため、唄の上手いトーガニが雨乞いの唄を習うために、八重山へ赴きます。
当時は北風で八重山へ向かい、南風のときに帰ってくるという帆船の旅。

トーガニは「南風のときに帰ってくるから、豆腐を作って待っていなさい」と娘・タマメガに言いつけて
八重山へと旅立ちます。
父・トーガニの申し付け通りに、タマメガは懸命にお豆腐を作りながら父の帰りを待ちます。

水が豊富な「乗瀬お嶽」に出入りしているうちに、どういう訳かタマメガは生き神となってしまったという
伝説から、「乗瀬お嶽」にはタマメガが祀られているそうです。

「フナハ村にあるフナハ井戸は、鳩や鳥が出入りしていたことから見つかった自然の水場で、
ここが集落地区の中心でした。現在、宮古製糖はこのフナハ井戸から水を引いていますよ」

現在はほとんど人は暮らしていないウージ畑の一帯が、かつては幾つかの村が集まった
集落地区として 栄えていた。
誠実に語る方上さんのお話はリアリティがあって、史実と伝説が混沌とした島の昔話に
つい惹きこまれてしまいます。

「『トーガニアヤグ』、『伊良部トーガニ』も元々は本調子でありましたが、
宮古島で最初の工工四(楽譜)が1967年に発行された際に、二揚げになりました。
声がある人は二揚げで唄いますからね。

伊良部トーガニはみんな知っているけれど、難しくて島の人でもなかなか唄い切れません。
なので、ふだんはあまり唄いませんね。
八重山の『とぅばらーま』のように息を取る唄だから、難しいのです。」
と工工四を広げて、ご解説くださいました。

島人はみんな知っているけれど、難しくてなかなか唄われない。
そのような島唄が伊良部島にもあったのでした。

 

〜 三線の調子について 〜
工工四(楽譜)には調子が示されており、三線の調子は「本調子」、「三下げ」、「二揚」と大きく3つに分けられます。三線の調子は各々唄者の声の高さに合わせます。
三線は文字通り三本の絃があり、一番太く低い絃を「一絃」または「男絃(ウージル)」、真ん中の絃を「二絃」
または「中絃(ナカジル)」、一番細く高い絃を「三絃」または「女絃(ミージル)」と呼びます。

本調子は「ド・ファ・ド」にあたり、女絃は男絃より1オクターブ高く合わせます。

本調子から女絃をひとつ下げた調子を「三下げ」と言い「ド・ファ・シ」の音階に、本調子から中絃をひとつ
上げた 調子を「二揚げ」と言い「ド・ソ・ド」の音階になります。

本調子から男絃と中絃をひとつずつ上げた調子を「一ニ揚げ」と言いますが、これは「三下げ」と同じ調子
「ド・ファ・シ」になります。

また、本調子から男絃と女絃をひとつずつ下げた調子を「一三下げ」と呼び、こちらは「二揚げ」と同じ調子
「ド・ソ・ド」となります。

 

方上さんから「伊良部トーガニ」の歴史や背景についてひと通りお伺いした後、
取材を続けたくとも、次の取材先のお約束の時間が差し迫っていました。

「伊良部島には『伊良部トーガニまつり』がありますよね。今年は10月に第11回が開催されたそうですね。
これから、島タウガニ部門の最優秀賞を受賞した前里千代さんの唄を聴かせて頂く予定です。」
とお伝えしました。
すると
「『島タウガニ』と『伊良部トーガニ』はまったく違うものですよ」
と方上さん。
「えっ? そうなのですか?」
「島タウガニ」はてっきり三線伴奏のない「伊良部トーガニ」を唄う部門だと思っていたので、
虚を突かれた思いでした。



 演奏映像はこちら 
  

前里千代さんの「島タウガニ」 http://youtu.be/9UmKs55J9-s

前里千代さんの「伊良部トーガニ」http://youtu.be/JJlpcIhYlw8

 

本村浪子さんの「伊良部トーガニ」 http://youtu.be/Nawx5Fhhu0g

本村浪子さんの「島タウガニ」 http://youtu.be/JBwhvklKawM

  

 


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